ゴールデンウィークに開催された第2戦から約3か月のインターバルをはさみ、再び富士スピードウェイで第5戦『2016 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 300km RACE』が行われました。前回の菅生戦でよかったセッティングをベースに富士用に調整し、フリー走行を走りました。ここでいくつかのセッティングを試し、タイヤテストも行い、順調に走行することができました。
今回はQ1を担当しました。ハード側のタイヤを履いたフリー走行の感触がよかったので、自信を持って予選に臨みました。予選時のコースは気温が高く、路面温度も50度近い状況でした。1周のウォームアップラップをして2周続けてアタックしました。2周目の方がタイヤへの熱の入りがよく、グリップ感があり、ベストタイムを更新することができました。その結果、3番手タイムでQ1を突破しました。 そして、Q2を担当した小暮さんが4番手タイムを記録し、決勝のグリッドが決まりました。
朝のフリー走行ではオーバーステアを解消するためにいくつかのセッティンを試し、午後からの決勝に備えました。気温30度をこえる暑いコンディションの中、66周のレースが始まりました。
スタートを担当した小暮さんは前を走る1号車を抜こうと仕掛けましたが、相手も粘り続け、順位は変わらないまま周回を重ねていきました。その後、300クラスのマシンのアクシデントにより19周目にセーフティーカーが入りました。25周目にレースが再開したのですが、タイヤの状況が厳しく、100号車と36号車の先行を許してしまいました。そして、29周目にピットに入りドライバー交代を行いました。
コースに戻った時に19号車に先行されてしまいましたが、32周目の1コーナーで追い抜くことに成功しました。続いて、その周にコースに戻ってきた36号車をタイヤが温まらないうちに抜こうと仕掛けていき、33周目の1コーナーでアウトからオーバーテイクを決めることができました。さらに、34周目に同じようにピットから出てきた1号車を13コーナーで追い抜くことに成功しました。
35周目に46号車がクラッシュしたため、レースが落ち着いた時点で3番手までポジションを上げていました。前を走る100号車とは差がありましたが、周回ごとに差を詰めていきました。路面温度が50度を超えている状況でタイヤに無理をさせないようなドライビングを心掛け、300クラスの巡り合わせもよく、47周目の最終コーナーで完全に追いつきました。同じNSX同士で特性が似ているので隙がなく、1コーナーのアウト側から2回様子を見ました。しかし抜けそうになかったため、50周目にイン側に飛び込みました。一瞬前に出ることができましたが、少しブレーキロックしてしまい、クロスラインで抜き返されてしまいました。それでも勢いをそのままに、翌周にもう1度インに飛び込みました。今度はブレーキロックしないように気をつけ、抜くことに成功しました。
2番手に順位を上げることができましたが、ここからタイヤの状況が厳しくなっていくことを想定し、100号車とのギャップを見ながらタイヤをセーブしました。そして、300クラスが間に入ったタイミングで少しペースを上げ、この作戦で差を広げることができました。結局、ポジションを守りきり、2位でレースを終えることができました。
今回は予選、決勝ともに力を出し切ることができました。菅生からの流れを引き継ぎ、走行ごとに調子を上げることができました。表彰台に上がれたことは、素直に嬉しく思います。前半戦苦労しましたが、チームとミーティングを重ねたことで、セッティングの良い方向性が見つかったと思います。この調子を維持し、鈴鹿1000キロでも結果を残せるように全力を尽くしたいと思います。