2018年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ最終戦『第17回JAF鈴鹿グランプリ』が鈴鹿サーキットで行われました。9月に新型車両SF19のテストをスポーツランドSUGO(宮城県)で行い、このテストでは非常にいいタイムを記録することができました。このテストで得たデータも参考に、最終戦のマシンセットを決めました。
予選はノックアウト方式で、3つのセッション(Q1、Q2、Q3)で構成され、Q1の上位14台がQ2へ、Q2の上位8台がQ3へと進むことができます。
Q1開始と同時にコースに入りアタックをしようとしたところ、トラブルによりオイルが出た車両があり、赤旗中断となりました。コース清掃の後、セッションが再開され、まずはコースの状況確認のために走行。タイムアタックはせず、2回目のアタックに備えました。2回目のアタックでは2番手タイムを記録し、Q2に進みました。
Q2からはソフトタイヤでのアタックになりました。タイヤの温まりが良かったのでギリギリまでピットで待機し、アタックを行いました。Q2は3番手タイムで突破し、最後のQ3に進みました。
ソフトタイヤになってからオーバーステア傾向があり、その対策をして最後のアタックに入りました。しかしオーバーステア傾向が強くなってしまい、Q2のタイムを更新できず、5番手で予選を終えました。
朝のフリー走行で決勝用のセットを試しました。レースではソフトタイヤでどこまで好タイムで走れるかが肝であると同時に僕たちの課題でもありました。そこでセッティングをソフトタイヤ重視で合わせていきました。
そして迎えた決勝レースは43周(250km)で行われました。スタートはソフトタイヤを選択しました。スタートがうまくいき、3号車の横に並びましたが、アウト側からは抜くことができませんでした。3号車はミディアムタイヤでスタートしていたのでレース序盤はペースが遅く、早めに追い抜く必要がありました。オーバーテイクシステムを使いバックストレートで並びかけましたが、抑えられてしまいました。しかし、シケインからラインを合わせ再び並びかけ、2周目の1コーナーでアウト側から抜くことに成功。4番手に浮上しました。ここからソフトタイヤ同士の上位争いになって行きましたが、予選の時のオーバーステアに対して調整しきれずバランスに苦しんでいました。そこでチームの判断により12周目にピットに入り、ミディアムタイヤで残りの周回数を走ることになりました。このピットのタイミングは成功し、前を走っていた36号車との差を詰めることができました。しかし、その後のペースを上げられずに、全体のピットが落ち着いた時に5番手となり、6号車に追われる展開になりました。何度か仕掛けられている中、ソフトタイヤのマシンに先行され6番手に落ちましたが、6号車の猛攻はしのぎ切ることができました。その結果、最終戦は6位でチェッカーを受けました。
最終戦の予選では安定して上位で争うことができました。しかし今回、僕たちが到達したレベルでのマシンセットの熟成度が低く、トップとはコンディションなどへの合わせ込みの差が出てしまいました。それは決勝でも同じだったと思います。タイヤの使い方に関しても今回初めてわかったことがいろいろありました。しかしライバルたちはもっと前からわかっていて、それにマシンセットをしっかりと合せ込みシーズンを戦っていたと思います。
シーズンは終わってしまいましたが、そのことに気づくことができたことはとても大事なことだと思います。今回のレースのように安定してハイレベルな状態で走り続けられるように、心身ともに来たるシーズンに向けて準備します。最後に2018年シーズンも応援していただき、本当にありがとうございました。皆様にあらためてお礼を申し上げます。