2018年シーズンのスーパーGTが岡山国際サーキットで始まりました。3月に行われた岡山での合同テストでは上位につけることができましたが、開幕してみないと自分たちのポジションがわからないという状況の中、レースウィークを迎えました。予想していた気温よりも低く、タイヤの温度レンジ的に熱が入るまで時間がかかる状態でした。しかし、これは他車も同じ状況でした。また、フリー走行は赤旗や雨の影響でほとんどセッティングの確認をすることができないまま予選を迎えました。
Q1はドライコンディションで、今年もパートナーを組む小暮(卓史)さんが担当しました。タイヤのウォームアップに時間がかかるため早めにコースに入り、3番手タイムでQ2に進みました。Q1終了直後から雨が降り出し、Q2はレインコンディションで行われました。
10分間という短い時間でタイヤをどれくらいウォームアップできるかがポイントになるため、ソフトかミディアムかタイヤ選択に迷いました。ギリギリまで天候を見ながら最後はミディアムを選択し、Q2の開始と同時にコースに入りました。予想よりもウォームアップが遅く、熱を入れるためギリギリを攻め、ペースを上げていきました。他車がソフト側で早めのアタックをする中、十分な熱がタイヤに入っていませんでしたが、最後のラップに賭けアタックを試みました。攻めつつもマシンを大きく滑らせてタイムロスしないように、丁寧に走りました。そして、この最後のアタックでトップのタイムを記録することができ、開幕戦のポールポジションを獲得することができました。
レース前のフリー走行でレースセットの確認を行い、僕自身は自分の後半スティント用のタイヤの熱入れに集中しました。レースは81周で行われ、スタートドライバーは小暮さんが担当しました。
スタートでトップのまま1コーナーをクリアしました。ウォームアップの早い23号車と24号車の猛攻があり、気の抜けないオープニングラップとなりましたが、ポジションを守りきることに成功。トップでレースが進んでいきました。その後、小暮さんは最速ラップを記録しながら2位との差を広げていきましたが、途中からペースが伸び悩み、苦しい展開になっていきました。しかし、23号車と24号車はスタート違反でペナルティを受けたため、少し楽な状況になりました。
その次は1号車に追いかけられる展開になり、小暮さんらしい粘りの走りでトップを守っていきました。37周目のヘアピンで2番手に後退しましたが、40周目にピットイン。ドライバー交代とピット作業を終えてコースに戻りました。
コースに戻った時、タイヤ無交換作戦をとっていた100号車に先行されてしまいました。こちらはタイヤを4輪交換していたので、100号車についていきながら徐々にペースを上げていき、ニュータイヤでペースが早いうちに勝負を仕掛けていきました。46周目のヘアピンでアウト側から並びかけていき100号車を抜くことに成功。全車のピット作業が終わった時点でトップに戻っていました。
後半のスティントは100号車とのバトルになり、わずかな隙を作ってしまうと抜かれそうな展開でした。ペースは100号車のほうが良さそうで、300クラスの処理を利用しながら、何とか後続との差をキープしつつ周回を重ねていきました。そんな中、残り10周くらいで、他車のパーツがマシンのフロント部分に刺さるというアクシデントがありました。幸いハンドリングには影響がなく、トップでチェッカーを受け優勝することができました。
これまで勝てそうで勝てなかったレースが多くありましたが、チームと僕自身にとって2010年の第5戦SUGO以来のスーパーGTシリーズでの勝利を手にすることになりました。この優勝に貢献でき本当にうれしく思うと同時に、これまで支えてくれたチームのスタッフ、スポンサーの方々、そしてファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。 開幕戦での優勝はシリーズタイトルを争う上で非常に重要なポイントになると思っています。チャンピオンを取るべく、第2戦以降も全力で戦っていきます。応援よろしくお願いします。