Koudai on Koudai
2020-2021

今回も塚越広大への質問にたくさんの応募をいただき、本当にありがとうございます。後編では長年親しまれたKEIHINブルーからエレガントな赤を基調としたマシンにカラーリングを変更し、Astemo REAL RACINGとして参戦する2021年シーズンのスーパーGTの意気込みも聞きましたので、最後までご覧ください!

 

後編

Q熊本県のarex1999さんからの質問です。「もしお子様がモータースポーツ(ドライバー)になりたいと言ったらどうしますか?」
結構、これを聞かれることが多いのですが、子どもがやりたいというのであれば、やらせたいというのが親としての一番の思いですね。特に長女のほうをやらせたいですね。
Qarex1999さんの思い出は「2010年に熊本のエンジョイホンダで初めてお見受けし幸運にも体験走行で助手席に同乗させていただいたことが一番の思い出です」
送ってくれた写真の横断幕は、オートポリスの最終コーナーにいつも飾ってくれているんです。よく覚えていますし、うれしいですね。これからも応援をよろしくお願いします!
Q熊本県のKEIHINタックさんからの質問です。「塚越選手はドリフトができますか?」
できるか、できないかと聞かれれば、できないですね。レース中にマシンのリヤが出た時にスライドをコントロールはできると思いますが、土屋(圭市)さんみたいな華麗なドリフトはちゃんとやったことがないですし、多分、できないと思います。ちょっと練習してみたいと思います。
QKEIHINタックさんの思い出は「N-ONEオートポリス戦の時に塚越選手と話せたことが一番の思い出です😆」
この写真は昨年、リアルレーシングが実施したオンラインのピットウォークの時のものです。KEIHINタックさんは、いつも応援してくれている方で、ゲームソフトの『グランツーリスモ』のリバリー(ユーザーが自分の好みで、クルマのカラーリングをコーディネートできる機能)をよく作って披露してくださっているのです。2021年のアステモのカラーリングのマシンも正式発表の前に再現してくれていました。だから「ああ、新しいカラーリングはこんな感じなのか」と多くの人が思っていたようですね(笑)。
Q静岡県のるぎあっとさんからの質問です。「レースで出てみたいカテゴリーは?」
F1マシンには乗ってみたいですね。インディカーも出てみたいですが、市街地よりはオーバル、インディアナポリス500マイルレースは1回経験してみたいです。まあ、僕の場合はクラッシュしちゃいそうですけど(笑)。
Q広島県のT.K.Family TAKAHIROさんからの質問です。「ドイツの自動車メーカー、メルセデス、アウディ、BMW、ポルシェのうち、広大さんが所有したいなら、どれがいいですか?」
ポルシェです。最近のマシンよりも、(1974年から1989年まで生産された)930ターボがいいですね。最近のポルシェはSUVが人気ですが、今はあまり興味がありません。サーキットを走れるような車がいいですね。メルセデスだったら初代のCクラス、190とか、あの時代のクルマだったら乗ってみたいです。
Q広島県のT.K.Family TAKAHIROさんからもう一問です。「ル・マン24時間レース、デイトナ24時間レース、ニュルブルクリンク24時間レース、スパ24時間レースのうち、どれに出場してみたいですか?」
やっぱりル・マンです。世界3大レース、F1のモナコGP、アメリカのインディアナポリス500マイルレース、ル・マン24時間レースはドライバーとしてぜひチャレンジしたいですね。それ以外にも伝統のあるレースには出てみたい。デイトナも面白そうですね。
QT.K.Family TAKAHIROさんの思い出は「オンラインピットウォークで、一緒に記念撮影してもらった時です! 今年もオンラインピットウォークはぜひやって欲しいです‼」
先ほども紹介しましたが、去年は新型コロナのためにファンの皆さんとの距離ができてしまった分、何かできればいいかなと思い、リアルレーシングでオンラインのピットウォークを実施しました。おかげさまで、すごく評判がよかったです。でも最初は動画の設定とかがなかなかうまく行かなかったり、こっちが見えるのに相手が見えなかったり、音声は通じているのに画面が見えないとか、いろいろハプニングありました。スタッフの皆さんは大変でしたけど、今思えばすごく面白かったです。今年もぜひやってみたいですね。
Q大阪府の赤いNSXさんからの質問です。「僕は高校生で、現在、レーサーを目指していますが、レーサーに必要なことは何ですか? 才能、運、体力、お金、何が必要ですか?」
赤いNSXさんがあげてくれた「才能、運、体力、お金」の全部が必要だと思います。それに付け加えるとしたら、人とのご縁、つながりを大事にできるのかがすごく重要だと思います。レースはひとりではできません。ドライバーだけでなく、メカニック、エンジニア、スポンサーさんなどがいて一つのチームになります。いろんな人との縁をどう大切にできるのかが、才能、運、体力、お金などにプラスして必要だと思います。
Q大阪府の赤いNSXさんからの質問です「バゲット選手はどんな人ですか? 普段は一緒に遊んだりすることはあるのですか?」
プライベートで遊ぶことはないですが、チームのみんなと一緒に食事に行ったりします。バゲットは日本での活動が長くて、日本人のキャラクターになじんでいます。ある意味、日本人みたいなところがあります(笑)。その反面、レースをする上では、日本のドライバーよりもはっきり主張をしますし、自分の考えを相手が理解するまでしっかりと話します。そこは日本とは文化が違うように感じます。レースを離れると、普段一緒にいても面白いですし、お互いにパパなので、よくお互いの家族の話もしますね。
Q宮城県のヨッシーさんからの質問です。「レッドブルTVでスーパーフォーミュラの解説を聞きましたが、ドライバーと違って大変なことはなんですか?」
レースの解説では専門用語が必要となりますが、なるべく視聴者の方がわかりやすい言葉で表現をするのがすごく難しかったですね。あと、映像的にどうしても目がいってしまうシーンを解説することになるのですが、実はその裏側や、映像と違うところでもいろんなことが起きているんです。そのシーンは映像がないのですが、ラップタイムを見ているとわかるんです。そのあたりを情報として伝えるのはすごく難しかったですが、解説の仕事はすごく勉強になりました。でも最終的に何が一番大変だったかと言われれば、やっぱり自分がレースに出たいので悔しかったことです。その気持ちを抑えることがツラかったかもしれません。
Q宮城県のヨッシーさんからもう一問です。「最近、30歳を超えて少し太ってきたのですが、塚越選手は食事に気を使っていることはありますか? お酒は飲みますか?」
僕は、お酒は基本的には飲みません。お酒がなくても生きていけますので、お酒の悩みはないですね(笑)。食事に関しては、スポーツ選手として太ることができないので、カロリーや糖質などをいろいろ気にしていますが、そこまで厳密に節制しているわけではありません。バランスよく食べる、量を食べすぎないとか、そういう基本的なことを大事にしています。食事に関して一番気にしているのは、食べる順番ですね。やっぱりいきなりカロリーの高い太りやすい食べものをとるのではなく、野菜やスープを飲んでから、メインデッシュをとるようにしています。体重は若い頃からずっと変わっていません。もう少し落としたいのですが、あまり急激に落とすのは身体によくないので、そこまでは考えていません。
Q愛知県のマリエchanからの質問です。「2021年は日本で世界ラリー選手権(WRC)が開催される予定ですが、ラリーには興味がありますか?」
ラリーはめちゃめちゃ興味あります。レースは人と争いますが、どちらかといえばラリーは自然との戦いですよね。バゲットの友人にWRCのドライバーがいて、よくその話題で会話しますが、「頭のネジが飛んでいるよね」と話しています(笑)。あんなに速いスピードで走りながらマシンをコントロールするのは楽しいだろうなあって思います。ラリーにもいつかチャンスがあれば出てみたいです。
Q愛知県のマリエchanからはもう一問です。「普段はどんなファッションのスタイルが好きですか? また心がけているポイントはありますか?」
ファッションに関しては、ここ数年間は制服のように決まったものしか着ていません。リアルレーシングをサポートしてくれているSAMURAI JEANS(サムライジーンズ)さんのボタンダウンのシャツがすごくお気に入りです。シンプルで、ワンポイントでサムライのロゴがあるんですけど、これをほぼ毎日着ています。それに黒いパンツを合わせるのが基本です。

昔はいろんなデザインのものを着ていましたが、最近はシンプルなものばかりです。デザインはあまり気にしなくなりました。で、靴はプーマです。特に最近はドライビングシューズが多いですね。ファッションに関しては、シンプルで、着心地がいいものを選ぶことを心がけています。
Q大阪府の五十嵐さんからの質問です。「普段はバゲット選手とは日本語と英語のどちらでコミュニケーションをとっているのですか?」
基本は英語ですね。バゲットは日本語を話すのは苦手みたいですが、ヒアリングはできています。日本語での会話の内容はほぼ理解しているみたいです。たまに僕が英語の単語や表現がわからなくて、日本語で話してしまうことがあるのですが、「OK、OK」と理解しています(笑)。チームのミーティングは日本語で話していますが、僕やスタッフがバゲットに通訳しています。レースの用語は基本的に英語なので、ポイントポイントは理解していますので、細かいニュアンスは僕が伝えている感じです。
Q大阪府の五十嵐さんからもう一問です。「国内だけでなく海外のレースで注目している若手ドライバーはいますか?」
F1にデビューする角田(裕毅)選手しかいないでしょう! 角田選手はフォーミュランド・ラー飯能でもレースをしていますし、もともと僕がお世話になっていた鎌田(貴)先生のところで今もトレーニングを積んでいます。その鎌田先生がラー飯能で3時間耐久レースに出場した際に、角田選手も一緒に走っていました。

あと、僕は所属していたカートチームにもいたことがあるので、共通点はあるんです。日本のモータースポーツに興味ある人は今、みんな角田選手を応援していると思います。僕も応援していますので、ぜひ頑張ってほしいです。
Q五十嵐さんの思い出は「2019年に富士スピードウェイで開催されたドイツツーリングカー選手権(DTM)との交流戦で表彰台にあがった走りがすごかったです。塚越選手は海外でのレースに向いていると思います。2021年はぜひスーパーGTでチャンピオンになってください」
先ほどから話していますが、海外のレースには出てみたいです。僕は市街地コースが大好きです。電気自動車のフォーミュラEは市街地が舞台となっていますので、面白そうです。興味はありますね。F3のマカオGPもそうですが、壁ギリギリまで攻めるのが好きなんです。日本でも市街地コースでもやってほしいと思っています。
Q最後に多くの方からの質問ですが、「今シーズンの目標をお願いします」
2021年はAstemo REAL RACINGからSUPER GTに参戦します。これまで長年、相棒として乗ってきたKEIHINのブルーのマシンからエレガントな赤いマシンに乗り換えて走ります。すごくカッコいいカラーリングになりますし、これまで皆さんが応援してくれたKEIHINの17号車のイメージを受け継いだ形のマシンになっています。

今シーズンはマシン開発が凍結されているので大きな変化がない中で、どれだけ細かいところを詰められるかがポイントになると思います。新しいカラーリングのマシンでシリーズチャンピオンを取るためAstemo REAL RACINGの赤いマシンとパートナーのバゲット選手とともに全力で戦います。今シーズンもAstemo NSX-GTにもたくさんの応援をよろしくお願いします!