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ファンの皆さんからの質問に塚越広大が直接答えるという年に1回のスペシャル企画「Koudai on Koudai」。今回で9回目を迎えた当企画ですが、皆さんから寄せられた質問数は過去最高となりました。たくさんのご応募、本当にありがとうございます。では早速、前編として「プライベートに関する質問」をセレクトして、広大に答えてもらいます。お楽しみに!

取材・文川原田剛
写真村上庄吾

「レーサーになりたい。小学生の頃からそう思っていた」

千葉県の“みさわさん”を始め、たくさんの方からの質問です。「お休みは何をしていますか?」
2014年は休みが本当に少なかったです。テストやトレーニングだけでなく、レース以外のことのスケジュールが結構詰まっていました。だから何もない休みの日には家でゆっくりしていました。
東京都の“甲野めぐみさん”からの質問です。「休みの日のタイムスケジュールは?」
目が覚めたら起きる。時間は決まっていません。休みの日の起床時間は、自然に目が覚めた時間です。そのあとは、ご飯を食べて、支度してどこかに出かけます。本当に何もする予定がなくても、どこかに外に行きたいと思いますね。そうなると近所のホームセンターに行って、工具を見たり、インテリアを見たりします。帰ってきたら、ご飯を食べて、眠くなったら寝るという感じですね。外出しないんだったら、ひたすらアニメを見たりします(笑)。
千葉県の“ともともさん”からの質問です。「趣味を教えて下さい」
最近だと、アニメを見る、漫画を読む、モンハン(モンスターハンター4)をする、という感じですね。
千葉県の“ともともさん”からはもう一問。「レースがある前のモチベーションの上げ方を教えて下さい」
特にないんです。スイッチがポンッと入るようなことはないんです。普段通り、自然体でレースを迎えるという感じです。
栃木県の“リコさん”からの質問です。「日常生活でついやってしまうレーサーならではのクセとかって何かありますか?」
レースに関係があるのかわかりませんが、僕は時間をムダにするのがすごくイヤなんです。例えば、ミーティングがあったり、予定があったりすると、段取りを考えて、自分が決めたスケジュール通りに進めないと気が済まないですね(笑)。それは、例えばテストでも一緒かもしれません。

それ以外では、歩いている時はなるべく最短距離で、短時間で行こうとしますね、別に急いでいなくても。周りの状況を見ながら、ベストなラインを探しています。あとは高速道路を走っている時でも、だいたいオートクルーズで走っているのですが、追い越し車線に出入りするタイミングを考えて、なるべくブレーキを踏まないようにして走ります。とにかくムダがイヤです。
栃木県の“リコさん”からもう一問です。「レースシーズン中、我慢していることや気をつけていることって何かありますか?」
スポーツ選手としては、身体作りに悪影響になるようなことはしないようにしていますので、食べ物に関しては少しだけ気にしています。お酒ですか? 普段から飲みません。ただ、食べ物もあまり我慢はしないようにしています。我慢することがストレスになりますからね。
三重県の“さや♪”さんからの質問です。「プレゼントでもらったものの中で一番うれしかったものは何ですか?」
レースの時には誕生日プレゼントや差し入れなど、いろんなものをいただきました。全部うれしかったですが、一番となると……難しいなあ。2010年から毎年、児童養護施設の明和園を訪問しているのですが、そこで手作りのメダルをもらいました。それはすごくうれしかったです。とにかく、気持ちがこもっているものであれば、どんなものでもうれしいですよ。

でも実は、もらって困るものが一つだけあるんです。時々、僕の顔が映っている写真をプレゼントしてくれる方がいるのですが、自分が映っている写真が嫌いなんです。マシンはいいのですが、自分の顔が映っているのはとにかくイヤですね(苦笑)。
三重県の“さや♪”さんからもう一問です。「レース仲間と話していて会話が盛り上がる選手は誰ですか? また、話してみたい人は?」
伊沢(拓也)さんと(山本)尚貴です。話してみたい人は特にいません。あんまりドライバー同士で仲はよくないのですが、あのふたりは特別ですね。でも、伊沢さんも尚貴もイベントなどで会ったら話しますが、サーキットでは敵ですし、プライベートで会うことはありません。
茨城県の“胃のさん”からの質問です。「今まで読んだマンガで最も好きな作品は何ですか?」
『新世紀エヴァンゲリオン』は絶対に入れておいてほしいですね。やっと完結したので。あとは家にあるのは『進撃の巨人』と『×××HOLiCホリック』ですね。『×××HOLiCホリック』と『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』は同じ作家(CLAMPさん)が描いているのですが、ふたつの漫画はストーリー上でもつながっているんで、それも読んでいます。CLAMPさんの作品は弟から教えてもらいました。
奈良県の“ゆきさん”からの質問です。「ホンダのスーパーアイドルこと塚越広大選手に質問させていただきます! どうやったら塚越選手みたいな笑顔を振りまく素敵なアイドルになれますか?」
ホンダのアイドル? そんなこと、初めて聞きました(笑)。笑顔でいられるコツというか、もともと自然体ですからね。逆にそんなに笑っていますかね? まあ、昔は笑顔のほうが力を発揮できると思っていたので、作り笑いの時はあったかもしれません。でも今は素のままというか、自然体ですね。笑顔が多いのは、いろんなことが充実しているからなのかもしれません。きっと、楽しいんでしょうね(笑)。
東京都の“なかがわけいひんさん”からの質問です。「ぼくは小学3年生です。レースと野球がすきです。将来はレーサーかプロ野球選手になりたいです。広大さんは小学3年の時は何がすきでしたか? 将来の夢は何でしたか?」
小学校の時から、僕はずっとレーサーになりたいと思っていました。当時かなり夢中でやっていたのはバスケットボールでしたが、それはレーサーになるためには体力が必要だと思っていたので、バスケをやっていました。あと当時好きだったのはゲームですね。小学校1年生の時はゲームばっかりやっていて、そしたら目がすごく悪くなってしまいました。レーサーになろうとしたら、目が悪いのはマズイですよね。すぐに家でゲームをすることをキッパリやめました。

小学校の低学年の頃はスーパーヨーヨーにミニ四駆、ビーダマン、あとはミニカーやプラレールでもよく遊んでいました。釣りも行きましたが、あまり釣れませんでしたね(笑)。アニメで好きだったのは『幽遊白書』とか『るろうに剣心』ですかね。まあ、アニメとか漫画はその頃から好きでした。
東京都の“なかがわけいひんさん”からもう一問です。「広大さんの髪型がカッコいいですね。床屋さんで何と言えば広大さんみたいな髪型になりますか?」
昨年の前半はアシメ(アシンメトリー)を復活させていましたが、最近は担当の美容師の方と話して、「少し伸ばそうか」ということになり、その美容師の方曰く『セクシー男子風』らしいです(笑)。
滋賀県の“にゃんこさん”からの質問です。「好きな動物、飼ってみたい動物はいますか?」
ネコです(即答!)。ベンガルがほしいんです。
宮城県の“いちごさん”からの質問です。「僕は味噌汁が嫌いです。お料理好きの塚越くんは、味噌汁を作りますか? 具は何が好きですか?」
味噌汁は作りますよ。好きなのは、なめこです。
三重県の“tama@KEIHIN応援”さんからの質問です。「塚越選手は地方で仕事の時、自分の車で行っているみたいですが、いつも寄るサービスエリアとか決めているのですか? オススメのサービスエリアや食べ物はありますか?」
自宅から南は鈴鹿、北は菅生までは車で行きます。僕は車で移動する際の自分なりのルールがあって、基本的に2時間に1回はピットイン(休憩)することにしています。だから鈴鹿からだと大体2ピットになります。特に「必ずここに行く!」という決まったサービスエリアはありません。2時間過ぎたら、なんとなくピットインするという感じです。

食事は基本クルマの中で食べています。時間のロスが嫌なんです(笑)。前は刈谷ハイウェイオアシスの「ラーメン横綱」というところによく行っていましたが、最近は混んでいるので、行っていませんね。サービスエリアに寄った時に、ご当地の名物を食べるようにはしています。
静岡県の“堀内俊彦さん”からの質問です。「バイクツーリングは、どちら方面によく出かけるのですか? ライダー仲間には、ドライバーはいますか?」
ドライバーの方とツーリングに行ったことはないですね。ツーリング自体もまだ1回だけ、日光のほうにしか行ったことがないんです。栃木の友だちと一緒に行ったので、集合場所まで自宅から2時間(笑)。しかもツーリングの途中に雷雨で土砂降りになってしまい、大変でした(苦笑)。

ちなみに、この時は宇都宮インターの近くで集合して、そこから下道で日光の霧降のほうに行く予定だったのですが、途中、バケツをひっくり返したような大雨だったので引き返して、結局、足尾のほうに行きました。で、群馬方面に行き、温泉に入ってから古峯神社のほうを通って、そこで解散。そこから自宅に2時間かけて帰りました。大変でしたけど、またどこかにツーリングに行きたいですね。
東京都の“なみえさん”からの質問です。「2人乗りデビューは果たしたんですか? バイクデートするならどこに行きますか?」
2人乗りのデビューはしました。デートに行くなら、海岸沿いを走りたいですね。
千葉県の“ゴルベーザさん”からの質問です。「今、一番気になっているクルマは何ですか?」
新しいNSXには絶対に乗りたいですね。今、僕が所有している(アメリカ・アキュラ)ZDXとNSXを並べてみたいんです(笑)。それが夢というか目標ですので、絶対に実現させたいです。
千葉県の“根本和典さん”からの質問です。「将来、一台だけ所有できるとしたら、どのクルマでしょうか?」
一台は難しいですね……。新しいNSXもいいですが、ブガッティが新しく発表した4ドアで、16Cガリビエールもいいかな。すごくカッコいいので、あれが市販されたら欲しいですね。
宮城県の“阿部恵子さん”からの質問です。「愛車は何ですか? また愛車のこだわりポイントは?」
ZDXとオデッセイです。オデッセイはホイールを20インチから19インチに変えて、タイヤもブリヂストンさんのポテンザからレグノに変更しました。乗り心地はすごくよくなりました。またTANABEさんの車高調整キットが入っているのですが、マフラーも近々TANABEさんのものに変えようと思っています。渋めの音になると思うので、すごく楽しみです。

オデッセイはイルミネーションも少し変えて、ドアを開けた時に下がウェルカムライトのような感じになっています。 ZDXは日本ではなかなかないクルマなので、カーボンパーツをつけたりしていますが、オリジナルでも十分カッコいいので、そのままで乗っていますね。
熊本県の“まきのじゅんやさん”からの質問です。「これまでで一番好きなクルマは何ですか?」
これも難しいですね。やっぱりクルマ好きに一台を決めろというのは酷ですよ……。でも、これまでで一番憧れた車と言えば、スカイラインのR32ですね。子供の時にグループAが好きで、高橋国光さんと土屋圭市さんが乗っていたSTPタイサンGT-Rに憧れました。走りで一番好きなのは、菅生で縁石をカットしながらカルソニックGT-Rをドライブしていた星野(一義)さんですね。
東京都の“小田統星さん”からの質問です。「現在のクルマと、これまで乗っていたクルマを教えてください!」
ストリーム、S2000、CR-V、エリシオン、CR-Z、現在はZDXとオデッセイです。ビートにも乗っていましたが、あれは弟のクルマです。
神奈川県の“みのやまさん”からの質問です。「先輩の伊沢選手が結婚したこともあり、塚越選手もそろそろ(?)という年齢ですが、ズバリ結婚する予定は? 現在予定がなければ何歳までに結婚したいですか?」
将来、結婚はしたいと思いますが、今のところ予定はないです。何歳までに、という明確なのもないです。そういう気持ちになり、タイミングが合えば、いつか結婚はしたいです。
愛知県の“ぴじょんさん”からの質問です。「もし結婚されて子供が生まれた場合、その子供がレースをしたいと言ったらやらせますか?」
したいと言ったらやらせます。でも、それはレースに限らず、やりたいということは全力でサポートします。自分もそうやって、親に好きなことをやらせてもらえましたから。ただ、強制はしません。きっかけ作りぐらいはするかもしれませんが、それからは本人の意思に任せます。
栃木県の“まーさん”からの質問です。「うちの家族は子供たちも含めレースが好きで、塚越選手にも何度もサインをもらったり写真を撮ってもらったりしています。何度も会いに来ているファンの顔とかは、なんとなくでも覚えていますか?」
ハイ、もちろん覚えていますよ。例えば、何か会話をしたり、プレゼントをいただいたりした場合は覚えやすいかなと思います。
山形県の“yoponson”さんからの質問です。「6歳の息子がビビリ体質なのですが……。カートに『乗ってみなよ』と言っても嫌がる息子に、乗ってみたくなるような魔法の声掛けはありますか?」
うーん……言葉よりも、実際に連れていっちゃったほうがいいような気がします。例えば、スーパーGTの会場ではキッズカートの無料体験コーナーなどが設けられていますので、そういうところに連れていくとか、カート場でもいいと思いますよ。そこで「やってみる?」と聞くのが一番かなと思います。それでもイヤだという場合は、もう本人が乗りたいと言うまで待つしかないと思います。でも、やっぱりカート場よりは、レース会場の無料体験コーナーがオススメかな。他の子供たちもやっているので、それを見て「やりたい」と言ってくれる可能性が高いような気がします。
大阪府の“ヒロヴィッキーさん”からの質問です。「広大選手の人生のターニングポイントはどの辺りだと思いますか?」
2002年のカートの鈴鹿選手権シリーズMFCクラスでチャンピオンになった時と、2008年のユーロF3に参戦した時ですね。2002年はチャンピオンを獲れなかったらレースをやめるという約束で参戦していて、ランキング2位で最終戦を迎えました。で、最終戦の2レースともに優勝しないとチャンピオンになれないという状況で、2レースで優勝することができ、現在につながっています。

2008年は海外のシリーズで初めて戦わせてもらい、シーズンオフにはF1直下のGP2でテストをして、夢だったF1が間近に迫ったと思いました。そんな矢先にホンダがF1を撤退。急きょ、日本に帰国することになりましたが、その時には国内でのシートがなかったんです。それでフォーミュラニッポンのスイフトのテストがあって、最後の半日だけ時間が空いているので、そこに参加するチャンスを与えてもらいました。とはいえ、そこでいい走りをしたからといって、シートが確約されているわけではありませんでした。それでも、そのテストの評価で、翌2009年のフォーミュラニッポンとスーパーGTのシートを獲得することができました。そのふたつが、良くも悪くも僕のターニングポイントになっていると思います。

Koudai on Koudai 2014-2015 後編