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Koudai on Koudai 2016-2017

ファンの皆さんからの質問に塚越広大が直接答えるという年に1回のスペシャル企画「Koudai on Koudai」。今回もたくさんの方から、いろんな質問を送っていただきました。本当にありがとうございます。では早速、前編として「プライベートに関する質問」をセレクトして、広大に答えてもらいます。

取材・文川原田剛
写真Honda、村上庄吾

「アイルトン・セナや中嶋悟さんが初代NSXに乗っていて、それに憧れていました」

神奈川県のでらさんからの質問です。「ストレス発散の方法はなんですか?」
とりあえず家の掃除をする。片づけや磨くこともあるし、模様変えをするのとか、家の整理整頓するのはストレス発散になりますね。
三重県の猫のココちゃんからの質問です。「新年のご挨拶のメールのにゃんずたちは、兄弟なんですか? 名前も教えてください」
兄弟じゃなくて、同じお家の出身です。白いのはハニーで、茶色がメイプルで。ベンガルという種類です。
大阪府の河江未輝さんからの質問です。「ヘルメットをしていたら見えないのに、なんでそんなに髪型にこだわっているんですか?」
自分がどんなヘアスタイルに似合うのかがわからないので、いろいろ試しているんです。試行錯誤がまだ終わってないんです(笑)。あと身だしなみはいつもきちんとしておこうという思いがあるので、気をつけていますね。
埼玉県のマユちゃんからの質問です。「有名人になると大変ですか?」
街中でも声をかけていただく機会が増えたので、油断していると、どこで声をかけられるかわかりません。そういうこともあり、身だしなみをきちんとするために、服装や髪形などを気にしています。
北海道の米内敏雄さんからの質問です。「塚越選手が今ハマっている漫画、『これは面白い!』と思う漫画を教えてください」
何度も言っていますが、CLAMPさんが描いている『×××HOLiC(ホリック)』です。この作品はすごく面白いだけでなく、人生の勉強になるところがあります。『新世紀エヴァンゲリオン』も『進撃の巨人』もストーリーが面白いだけでなく、いろいろ人生について考えさせられる作品です。ぜひ皆さんに読んでほしいと思います。
東京都の大谷しゅりさんからの質問です。「僕は最近アニメを見るのにハマっています。塚越選手はアニメが好きだと聞きましたが、何かオススメの作品はありますか?」
実は、最近は新しいアニメを取り入れてないんです。でも、話題となっている『君の名は。』は見ましたし、聖地巡礼もちょいちょいしています(笑)。昨年、サムライジーンズの方とツーリングと称して、宗谷岬に行ったのですが、あれも日本最北端に行きたいという気持ちがあったのと、『ラブひな』の舞台だったこともあるんです(笑)。新海誠さんの作品『君の名は。』『言の葉の庭』『秒速5センチメートル』はストーリーが面白いだけでなく、聖地めぐりがいろいろできるので、オススメですよ。
東京都の池田アイさんからの質問です。「最近見たアニメ作品は何かありますか?」
今も言いましたが、新しい作品はあまり見ていません。最近は動画サービスで古いアニメを見るのにハマっていて、『ジャングルの王者ターちゃん♡』『るろうに剣心』『南国少年パプワくん』も見ましたね。あと『ケロロ軍曹』とか、いい意味でくだらなくて、面白いんです。最近は古いのばかり見ているので、逆にオススメがあったら教えてほしいです。
茨城県のいのさんからの質問です。「コミック好きで知られる塚越選手ですが、小説やエッセイなどは読まれますか? 好きな作品や、おすすめの作品があったら教えてください」
最近は、あまり本は読んでいません。好きな本は小説やエッセイというよりは、実生活で役に立つスキルなどを紹介する自己啓発本です。
三重県のscp10userさんからの質問です。「近頃、運転操作を間違えたり、逆走したり、一時停止しなかったり、徐行しなかったり、横断歩道などで歩行者優先を守らなかったり、携帯いじりながら前方不注意、という交通事故があとを絶ちません。交通事故を減らすために私たちがレーシングドライバーの皆さんから学ぶべき点、あるいは塚越選手が私たちに伝えたい点はどんなことでしょうか?」
人が運転する以上、ミスは必ずあるでしょう。でもドライバーひとりひとりが注意をすることによって防げる事故がたくさんあると思います。おそらく、事故原因のほとんどは不注意と慣れが大きいと思います。「いつも運転している道だから大丈夫だろう」とか「いつも運転している車だから問題ないだろう」と過信してしまい、いろいろなところに気を配ることがどんどん少なくなっていると思います。

でも僕らは毎回レースをするにあたって、いつも走り慣れたサーキットやマシンであっても、「何が起きるかわからない」とか「タイヤの状況はどうだ」とか「どのラインを通ればもっと速く走れるだろう」とか、いろんなことを考えながら運転しています。だからハンドルやブレーキ操作のひとつにしても、細心の注意を払いながらやっています。 一般のドライバーの方はそこまで注意することはないと思いますが、「今日はクルマやタイヤの状況はどうだ?」とか「道路の状況?」ということだけでも、もっと注意するだけで、防げる事故はたくさんあると思います
兵庫県の阿部浩智さんからの質問です。「現在、電気自動車や自動運転などの技術が注目され、自動車がどんどん進化しています。塚越選手はどんな技術が実用化して欲しいと思いますか?」
現在、いろんな自動車メーカーがこぞって自動運転の開発をしていますよね。また同時に、燃料電池自動車(FCV)や電気自動車(EV)の開発も進んでいます。これまで自動車産業はクルマを通していろんな可能性を探り、世界の経済を引っ張ってきました。また自動車を通して、エネルギー、電気、機械、化学、など、さまざまな業界が発展してきたと思います。どんどん技術開発が進み、社会生活が豊かで、便利になっていくのはいいことだと思います。その反面、僕らレーシングドライバーからすれば、将来クルマの運転すべてが自動になってしまうとしたら、やっぱり寂しいですね。

現時点に言えば、すべてを自動運転や自動ブレーキなどの技術に頼りすぎるのはよくないと思います。すべてのドライバーの方には、クルマを運転しているのは人間だと自覚してほしいですね。そういう技術は最後の保険だと思って、クルマを運転する全員がひとりのドライバーとして運転技術を常に磨いていってほしいと考えています。
三重県の“ムーミン”さんからの質問です。「18歳以前にサーキットでレースしていた広大くんが運転免許を取る時は、一般の人と同様に学科、実技、仮免と自動車学校へ通って習得したのですか? その時のエピソード話を聞きたいです」
高校3年生の時に、普通に(栃木県)日光の教習所で取りました。学科も実技もテストに落ちたことはありません。ひとつのロスもなく、最短で免許を取得できました! エピソードとしては、当時はすでに鈴鹿サーキットのレーシングスクールに入っていたので、クルマを運転したことはありました。だから初めて教習所で運転したときにやたら上手かったので、教官から「普段、そのへんで運転の練習しているのか?」と怪しまれましたね(笑)。でも、プロのドライバーになるためにスクールに入っている……と説明しました。

あと学校によって教習所に関するローカルルールがありましたよね。例えば、テスト期間中は行っちゃダメとか、進学や就職先が決まってない人は行っちゃダメとか。僕の学校でも、いちおうテスト期間中はダメだったのですが、僕はそれを知らずに普通に通っていたんです。「いつもは同じ高校の制服の人でいっぱいなのに、最近はやたら人がいない。ラッキーだな」と思っていたら、テスト期間中だったんです。それで、あとで先生に呼び出されて、怒られたことがありましたね(笑)。
東京都の伊藤直也さんからの質問です。「RBオデッセイとRCオデッセイを乗られていたと思いますが、それぞれのメリット・デメリットを教えて下さい」
僕は2008年に発売されたRB3/4シリーズの最終型に乗っていましたが、走行性能やパッケージデザインなど本当に完成されたクルマでした。何よりもミニバンで、あの車高の低さですから、カッコ良かったですね。それに車高が機械式の立体駐車場に入庫可能な1550mmに抑えされていたので、都内で駐車場に入る時には便利でした。

2013年に発売されたRCは、エリシオンのように室内も大きくなって、広々と使えるのはメリットでした。また僕はハイブリッドモデルに乗っていますので、RBの時よりは燃費は格段にいいですし、超低床プラットフォームを採用しているので、走りがすごく安定していました。腰高感はまったくないですね。

ただ個人的には、あそこまでボディサイズが大きくなってしまうと、オデッセイのイメージから外れてしまっているような気もしました。あそこまで大きくなるんだったら、もっと大きくしちゃってもいいと感じました。 あと、これは趣味もありますが、僕はRCよりもRBのナビのほうが好きでした。RBはダイヤルやボタンで操作するのですが、RCは全部タッチパネル式です。僕にとっては、RCのほうは操作が難しく感じますね。
埼玉県のkimirai7さんからの質問です。「塚越さんはオデッセイに乗られていますが、どうしてホンダの中でもオデッセイを選んだのですか?」
今回、アコード・ハイブリッドかオデッセイのどちらにしようか迷っていたのですが、僕はレース移動に限らず、普段の生活で荷物を載せることが多いんです。一番の決め手はそれですね。あとはRCになって、2列目にキャプテンシートを選べるようになったのですが、僕は5人乗ることが多いんです。だから、あえて2列目をベンチシート(3人掛け)にして使っています。
東京都のみなえさんからの質問です。「以前CR-Zオーナーでしたが、CR-Zの楽しみ方を教えて下さい。女子でも楽しめる、おすすめのドライブコースなどありましたらお願いします」
CR-Zはすごく燃費が良かったし、全長も短くてコンパクトで、どこにでも気軽に行けました。都内でも駐車もしやすかったですね。4人乗るのは少しツラいですが、意外に荷物がよく積めたので、2人でドライブするのであれば、すごく快適だと思います。 オススメのドライブコースは、ただ山道を走りに行くという目的じゃなく、どこかのレストランでランチやディナーを食べるとか、そういうことを目的にしてドライブするのが楽しいと思います。(神奈川県の三浦半島にある)葉山や千葉の海岸沿いの食堂とか、おもしろいと思いますよ。
広島県の松浪イチローさんからのもう一問です「塚越選手がオススメするクルマのカスタム方法や楽しみ方はありますか?」
クルマの楽しみ方は本当にいろいろあると思います。例えばカスタムするにしても、エアロパーツを付けたり、車高を下げたり、タイヤやホイールを変えたりすることだけがすべてじゃないと思います。お気に入りのぬいぐるみを車内にちょっとぶら下げるとか、ドリングホルダーのところにアクセサリーを置いておくとか、シートにクッションを置くとか、それでも十分に楽しいと思いますよ。 また空気清浄器を入れるだけでも、「どんな効果があるのかな?」とワクワクしますよね。洗車にこだわるのも面白いですよ。新しいスポンジを買ったり、ホイールを掃除するために洗車グッズを買ったり、そういうことでもすごく楽しいと思いますね。
滋賀県の三家香奈さんからの質問です。「あたしはHONDAさんのS660に乗っているのですが、純正がすごくかっこいいですし、『長く乗り続けたい!』という思いもあり、チューンをしていません。個人的には原型をとどめていないようなチューンは好きじゃないので、レーシングかつ純正を活かしたチューンをしたいなと思っています。しかしあまりいいチューンが思い浮かばなくて……。どんなチューンをしたらいいと思いますか?」
純正っぽくやるのであれば、ホンダアクセスさんの『Modulo(モデューロ)』のアクセサリーがいいかもしれません。もう少しレーシングな雰囲気を出したいなら、『無限』がいいと思います。あと特別にチューニングパーツなどをつけなくても、少し車高を下げたり、ホイールを変えたりするだけで、随分、雰囲気は変わると思います。でも車高を変えるのは少しハードルが高いので、タイヤを交換するタイミングで、タイヤのインチアップをするだけでもいいと思います。雰囲気が全然、変わりますよ。

あとS660は乗っているユーザーが多いので、きっと何か他の人と違うワンポイントがほしいと思います。僕だったら、ホイールと車高を変えるかな。エンジンはイジらないと思いますね。あとは室内に塗れる場所があれば、自分のクルマのボディカラーと中を同色にすると、結構カワイクなるんですよね。逆に内装にカーボンシートを貼ったりすると、すごくレーシングな雰囲気になりますよ。
三重県のなぎささんからの質問です。「年明けに塚越さんがNSXを納車されるとお聞きしたのですが、納車されたらまず何をしたいですか?」
とりあえず、自分の家の車庫に入れて、ゆっくり鑑賞したいですね。もう実物に触ったり、サーキットで試乗したりしたことはあるんです。ドライブして走ってみるというよりは、NSXのある風景、生活を楽しみたいですね(笑)。写真を撮ったりするのもいいですね。
宮城県のmikaさんからの質問です。「NSXのどんなところが好きですか?」
NSXはカッコいいし、素晴らしいクルマだと思いますが、僕がNSXを購入したのはそれだけが理由ではありません。むしろ別の理由のほうが大きいんです。僕が子どもの頃にレーシングドライバーに憧れたのは、レーシングドライバーは普段からカッコいいスポーツカーに乗っているというイメージがあったからです。実際に、僕が子どもの頃に活躍していたアイルトン・セナや中嶋悟さんは初代のNSXに乗っていて、それにすごく憧れました。「カッコいいなあ」って(笑)。

そして僕も今、日本のトップカテゴリーであるスーパーフォーミュラとスーパーGTに参戦するようになりました。僕がイメージする理想のドライバーというのは、自分がサポートを受けているメーカーのフラッグシップモデルに乗ることです。そういうレーシングドライバーの姿に、子ども時代の僕は憧れていたわけです。ある意味、子ども時代の自分の期待に応えたいと思って、今回、僕はNSXを購入したんです。
mikaさんからはもう一問です。「おそ松さんの中で推し松はいますか?」
最初はカラ松だったんですけど、最近は十四松ですね。なんか、十四松のテンションと声が好きですね(笑)。

Koudai on Koudai 2016-2017 後編