Koudai on Koudai
2018-2019前編

ファンの皆さんからの質問に塚越広大が直接答える年に1回の特別企画「Koudai on Koudai」。今回も日本全国のファンの方から、たくさんの質問が寄せられました。前編は「プライベートに関する質問」です。

取材・文=川原田剛

プライベート編

Q栃木県のERIさんからの質問です。「辛いことがあった時、どう乗り越えていますか?」
いきなり難しい質問ですね(苦笑)。今、辛いことがあったとしても、1年後、3年後、5年後にその当時を振り返った時に、その辛い時期がいい分岐的や良くなるための糧になったと思えるように考え、行動することが大事かなと思いますね。ある種のイメージトレーニングのようなものかもしれません。
QERIさんからもう一問です。「塚越選手にとって2018年のベストな瞬間を教えてください」
プライベートでは12月に長男が誕生したことですね。レースではスーパーGT開幕戦の岡山で優勝したことですね。優勝はかなり久しぶりでしたから、最高の瞬間でした。
Q福島県の飯田あいさんからの質問です。「ストレス発散方法を教えてください」
今持っている自分のクルマをどうカスタムするか、あるいは次は何を買おうかなとか、そういうことを考えていますね(笑)。欲しい車はいろいろありますが、僕はコレクターじゃありません。自分が乗れないクルマは買うつもりはないです。
Q茨城県の櫛田英明さんからの質問です。「外車の中で何が好きですか?」
今はフォルクスワーゲンの古い車、タイプ2やタイプ3バリアントなどに興味があります。あのへんの時代(主に1960年代)の空冷リアエンジン方式のクルマが好きです。デザインがかわいいし、クルマとしてシンプルなのがいいですね。古いミニもいいですが、FF(前輪駆動)なんですよね。そこだけが……。なんかフロントがホイールスピンするのってカッコ悪くないですか?
Q埼玉県のちゃんさんを始め、たくさんの方からの質問です。「今一番欲しい車は?」
ホンダCR-Xです。(1980年代後半から90年代の前半に発売された)2代目、EF6/7/8型ですね。デザインがカッコいいですよ。でも、これもFF(前輪駆動)なんです。ミッドシップだと文句ないんだけどなあ……。
Q大分県の後藤俊大さんからの質問です。「クルマをチューニングする際、最初に交換する部品はどれですか?」
ホイール、タイヤ、ダンパー、ブレーキ、足回りに関するところですね。足回りが決まっていないと見た目もカッコ悪いですし、乗っていても楽しくないですよね。「ファッションは足元から」とよく言われますが、クルマも一緒だと思います。
Q愛知県のハマー!さんからの質問です。「テレビ番組SUPER GT+『愛車自慢コンテスト』にいつも参戦している塚越さんですが、今までの車歴を教えてください。また、その中で一番思い入れのある車はなんでしょうか?」
最初に免許を取った時に購入したのがストリーム、次はS2000、ユーロF3に出場していたイギリス時代はCR-V、ビート、CR-Z、エリシオン、(アメリカ・アキュラ)ZDX、4代目のRBオデッセイ、その次は5代目のRCオデッセイ、NSX、シビックシャトルです。その中で一番思い入れがあるのはやっぱりストリームです。最初のクルマですし、いろんなところに行きましたからね。思い出がいっぱい詰まったクルマです。
Q兵庫県のフクダさんからの質問です。「塚越さんは昨年モトコンポを購入されましたが、今欲しいバイク、あるいは新たに乗ってみたいバイクはありますか?」
最近、バイクはご無沙汰なんです。今、モトコンポをきれいにレストアしているのですが、それが終わったら、ぜひ乗ってみたいですね。
Q兵庫県のヒロトンさんを始め、たくさんの方からの質問です。「愛車のNSXのいいところと悪いところを教えてください」
いいところはインパクトと迫力のあるルックスです。そんな見た目とは対照的に、乗り心地はいいですし、燃費も悪くありません。普段使いができるんです。しかもサーキットに持っていっても楽しめます。トータルでレベルが高いと思います。悪いところはドアミラーを自動でたためないこと。手動なんですよね(苦笑)。それがちょっと残念だなって思います。
Qヒロトンさんからはもう一問です。「レースで力を発揮するために、メンタルトレーニングをやっているのであれば、その内容を教えてください」
僕はこれまでメンタルトレーニングはしたことがありません。というのも、F3時代にお世話になった田中(弘)監督から、「不安になるのは、何か技術的に足りないものがあるからだ。しっかりとした技術を身につけていれば、メンタルで悩むことはない。だからメンタルトレーニングをするよりも、技術を身につけることが大事なんだ」と教えられたからです。勉強でも教えられた内容を理解していれば、テストの前に焦ったり、心配したりすることがないですよね。それと同じです。これまで田中監督の教えをしっかりと守り、メンタルを鍛えるのではなく、もっと根本な技術を身につけることに注力してきました。
Q栃木県のまーさんからの質問です。「日常の運転(一般道・高速道路)で特に気をつけている事は何ですか?」
安全運転を第一に心がけています。レーシングドライバーは運転免許がないとレースに出場できません。交通違反や事故を起こさないように細心の注意を払って運転しています。あと誰かを乗せるときには、みんなレーシングドライバーはすごく運転がうまいと思っていますので、結構プレッシャーなんですよね(笑)。同乗者がいる時は、安全かつスムーズな運転をするようにしています。
Qまーさんからもう一問です。「2017年からスーツ姿でサーキット入りするようになりましたが、気持ち的に変わったことはありますか?」
「レースやモータースポーツはカッコいいんだ」と思ってくれる人をひとりでも増やしたいと考え、スーツ姿での移動を始めました。今年で3年目になりますが、その気持ちはまったく変わっていませんので、これからも続けていきたいです。「スーツでの移動は大変じゃないですか?」と聞かれることがありますが、着ていくものが決まっているのは楽なんですよ(笑)。考えるのはネクタイの色ぐらいで、「何を着ていこうかな?」と迷うことがありません。メリットが多いんですよ。
Q岡山県のあんずさんからの質問です。「レーサーとして普段からハンドルを握る機会が多いですが、プライベートでも車で出掛けるのが好きですか?」
運転することは全然苦じゃないです。どこまででも行きますね(笑)。
Qあんずさんからはもう一問です。「『どこか連れてって下さい?』とお願いしたらどこに連れてってくれますか?」
スタート地点がどこかによりますが、海でも山でも川でも街でも、どこでも運転しますよ(笑)。
Q石川県のOnigiri_17さんからの質問です。「スーパーGTで昨年までチームメイトだった小暮さんは愛車に乗るときに靴を脱ぐそうですが、塚越選手は愛車に乗るときに何かこだわりはありますか?」
こだわりというわけではないですが、ガソリンがなくなるギリギリのタイミングまで給油しません。燃料が少ない状態のほうが、車重が軽くなってクルマの動きがよくなるじゃないですか。満タンの状態だとクルマが重くて動きが良くないですし、燃費も悪くなります。だから、給油の際はあまり量を入れないようにしているのですが、ガソリンを入れるタイミングがいつもギリギリになってしまって、焦ることもありますね(笑)。燃料計を見ながら「あと何キロは行ける」と思いながら、ガソリンスタンドを探すこともあります。
Q三重県のうずらゆういさんからの質問です。「昨年の7月に都市対抗野球を観戦されたそうですが、その際に何か印象に残ったことやエピソードなどがあったら教えてください」
ビールの売り子さんがすごいですね(笑)。試合中、スタンドの階段を上から下まで何度も往復しています。あれは相当ハードですよね。野球よりもそっちのほうに目が行ってしまいました(笑)。
Q東京都の佐藤トガリさんからの質問です。「漫画『頭文字D』で好きなエピソードは何ですか? また好きなキャラも教えて欲しいです!」
好きなエピソードは、パープルシャドウのBNR34 GT-Rと高橋啓介のFD3S RX-7のバトルですね。好きなキャラというか、ドライビングの好みでいうと、S2000をドライブしているパープルシャドウの城島俊也です。あの人の走りは僕の理想というか、考え方は似ています。ゴットアームと呼ばれていて、絶対に片手の運転なんです。右手はハンドルで、左手は常にシフトノブに置いています。ラインはいつもバラバラなのですが、タイムはいつもそろっています。でも、勝負どころの「ここぞっ!」という時のレコードラインを持っています。そういうところは、いつも8割のレベルで戦うという僕の考えに近いですし、共感できる部分が多いと思います。
Q広島県のポケットモンスタータカヒロさんからの質問です。「マンガ『進撃の巨人』に登場するエレン、ミカサ、アルミンの3人のうち、一番好きなキャラクターは誰ですか?」
ミカサですね。割とクールなキャラが好きなので、『進撃の巨人』ではリヴァイやアニも好きですね。
Q大阪府のarakiさんからの質問です。「休みの日は家族とどのようにして過ごしていますか?」
公園に行って、子どもと散歩してというパターンが一番多いですね。僕自身、公園で子どもと遊ぶとリフレッシュできますので、すごく楽しいです!
Q埼玉県のともやさんからの質問です。「塚越家の子育て方針は?」
特にありませんね。基本は子どもが好きな道に進んでほしいです。でも僕はレースの世界はこれだけ見たので、子どもたちにはレース以外の世界で活躍してほしいと思っています。僕が知らない世界に連れていってほしいです。
Q茨城県のいのさんからの質問です。「得意料理やおすすめ料理のレシピを教えてください」。
地元・栃木の名物である餃子は得意料理です。あとペペロンチーノも得意ですが、シンプルな料理だからこそ難しいです。パスタのゆで加減、塩こしょうの分量、ガーリックとオリーブオイル、鷹の爪などのバランスなど、結構難しいんですよね。でも自信はありますよ(笑)。
Q三重県の茶トラのミルクさんからの質問です。「プレゼントでもらうなら、食べ物、使える物どちらがうれしいですか?」
ファンの方からは何をいただいてもありがたいのですが、どちらかといえば、使えるものがいいですね。食べ物は昨年、すごく美味しい松坂牛をいただいたこともありました。それ以外にもいろんなものをいただき、本当に感謝しています。ただ、どうしてもお菓子をいただくことが多いのです。僕は甘いものが好きだし、お菓子をいただいたらうれしいですが、僕はいちおうスポーツ選手ですから(笑)。脂質や糖質の多いものはあまり食べられません。食べ物だったら、ふりかけや漬け物などがうれしいです。 食べ物以外では、昨年、THREE(スリー)という化粧品ブランドのメンズラインのトラベルセットをいただきました。それは普段、使っていたものだったので、すごくうれしかったですね。あとネクタイもうれしかった。自分が使えるものがいただけたらなおうれしいですし、有効活用できますね。
Q茨城県のとおるさんからの質問です。「今シーズンはスーパーフォーミュラに参戦しないとのことで残念に思っています。しかし考え方を変えると、その分、時間ができたと思うのですが、何かプライベートで新たな挑戦は考えていますでしょうか?」
まずは来年スーパーフォーミュラに復帰するための活動を最優先に考えなければなりませんが、レース以外に関しては今までやりたかったけど行動に移せなかった“to doリスト”がたまっています。例えば船舶免許ですね。昨年、免許を取ろうと思っていたのですが、時間がなかったので実現できていませんでした。サーフィンも近々にやりたいですね。それ以外にも縁があっていろんな方と出会っている中で、「一緒にやろう」というアイデアがいくつかあります。それをしっかりと形にするための活動をしていきたいと思っています。あとは、きれいに作らなければならないクルマが何台かあるので、それをきちんとやりたいですね(笑)。
Q東京都のリサさんからの質問です。「新元号は何だと予想しますか? もしくは何にしたいですか?」
広大でいいんじゃないですか(笑)。漢字二文字で、読みやすく、書きやすい。近年、世界から見て、日本という国の存在感がどんどん小さくなっている中で、広く、大きく、羽ばたくという意味も込めて、広大元年いいと思いますね(笑)。