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Q長野県のポンコツラーメンさんからの質問です。「フォーミュラ・ニッポン(FN)は日本のトップフォーミュラとしてハイレベルなレースをしているにもかかわらず、F1関係者に見られることがほぼ皆無でした。例えばスーパーフォーミュラ(SF)を日本GPのサポートレースにするなど、日本のレースをF1関係者に見せる機会が設けられることを望みますか?」

「それよりも僕はSFにF1ドライバーに乗ってほしいですね。突然レースを見せられても、F1の関係者にしてみれば、あまりよくわからないと思うんです。GP2のような形でちゃんとレースを見られるようになっていないと、何も状況は変わらないのかな、と感じています。それよりも、現役のF1ドライバーやF1経験者でもいいので、誰かに乗ってもらったほうがいい。昨年の(佐藤)琢磨さんのような形でもいいし、(小林)可夢偉でもいいと思います。世界のトップカテゴリーで走っているドライバーがどんな走りをするのか。それを見てもらえれば、SFのレベルの高さがはっきりとわかると思うんです。それこそ、セバスチャン・ベッテルやフェルナンド・アロンソに乗ってもらうので一番効果的だと思います。別にレースじゃなくても、テストでもいいんです。1回でもいいので乗ってもらう。そうすればSFのレベルがはっきりとわかると思います」

Q栃木県のハルコさんや長嶋さんなど、何人から同じような質問が届いています。「海外のレースに出てみたいですか? 他のカテゴリーで興味のあるレースは?」

「もちろんF1を目指していますが、それ以外ではルマン24時間レースです。やっぱり世界三大レースのひとつですからね。これまでずっとスプリントレースを中心にやってきたので、耐久レースには興味があります。前に十勝24時間に参戦したこともありますが、その時もすごく面白かったですしね」

Qこちらの質問も、神奈川県のみのやまさんや北海道のしんのすけパパさんなど、数人の方から来ています。「今年、鈴鹿50周年アニバサーリーイベントなどでF1マシンに乗ってみて、再びF1へステップアップしたいという気持ちが高まっていると思いますが、その時に備えて英語の勉強は続けていますか?」

「鈴鹿50周年のイベントでF1マシンに乗ったことは、僕にとって大きな意味があったと思います。F1ドライバーになりたいと思い続けてここまでステップアップして来て、鈴鹿で自分の憧れの選手が乗った、素晴らしいF1マシンに乗ったことで、あらためてF1に乗りたいと強く思うきっかけになりました。『こんなマシンに乗って、世界で戦いたい!』ってね。そのために英語の勉強は続けています。でも英語の勉強は難しいですね(笑)。今は知り合いの家族、外人の方がいるところなんですが、そこで会話をすることが勉強になっています」

Q東京都のまっつんさんからの質問です。「ご自身のドライビングは、現役のF1レーサーで誰に一番近いと思いますか?」

「誰だろうなぁ……。アロンソとは違うと思うんです。ベッテルの走りのイメージはあまりないんで、敢えて言えば、ルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンの間かな。バトンはドライビングがすごく丁寧で、ステアリングもそんなに切らないように見えます。クルマの動きもスムーズですよね。一方のハミルトンはすごくアグレッシブに行きますよね。クルマの動き方も激しい。僕はその中間かなって思います」

Qまっつんさんからはもう一問。「レース中、ディフェンスが厳しくオーバーテイクが難しいと思うドライバーはいます?」

「2012年はあまりバトルしていなですし、覚えてないですね……。でも(松田)次生さんはめんどうですね(笑)」

Q鳥取県の山本さんからの質問です。「2012年のシーズンをあらためて振り返ると、どんなシーズンでしたか?」

「何かいろんなことがありすぎて、ひとことでは言えない、すごいシーズンでした。2012年に学んだことは、もうこんな悔しい思いを二度としたくないということです。それに尽きます」

Q次で最後の質問になりますが、これはたくさんの方から来ています。「2012年の経験を踏まえ、2013年シーズンはどんな意気込みでレースに臨まれますか?」

「これまでの僕は、優勝した時のうれしさや喜びをまた味わいたいと思ってレースをしていました。でも2012年に関しては、今言ったように、『あんなツライ思い、悔しい思いを二度としたくない!』と、はじめて負けた側の気持ちを強く感じました。今までも負けたレースはいっぱいありますが、そんなふうに感じたことはなかったんです。
2012年は『絶対にチャンピオンを獲る』という気持ちで戦っていました。だからこそ、オートポリスでFNの初優勝を達成した喜びよりも、負けた時のツライ感情のほうが、心に強く刻まれています。うまく説明しづらいのですが、悔しいということではないんです。自分としてはやるべきことはすべてやったし、その結果、反省することはいろいろありますが、『あれをしたら良かった』とか『こうするべきだった』という、後悔があるわけではないんです。ただ、『もうこんな辛さを味わいなくない』という気持ちがあるだけです。2013年は、この気持ちを胸に刻んで戦っていきます」

Q以上のファンの皆さんからの質問は終了となります。では最後にあらためてファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

「2012年は、いいことも悪いこともいろいろあった、今までに体験したことのないシーズンでした。本当にさまざまな経験をし、いろんな感情が交差した年だったと思います。僕にとって大きな出来事は、FNのチャンピオン争いを経験したこともありますが、鈴鹿の50周年イベントでマクラーレンMP4/5をドライブしたことが一番印象に残っています。
ファンの皆さんからの質問を見ても、『これから先をどうするのか?』と気になっている人が多いと思うんです。でも僕はF1を目指してこれまでやってきて、今もそこに行こうと思って頑張っています。その決意が見えない、と言う人もいるかもしれませんが、それは見せるようなものではないし、表に出せばいいというものではないと思っています。
僕は今でもF1に行きたいという強い気持はあるので、僕としては皆さんに応援してもらいたいと思います。F1に行くためには、どのカテゴリーでも勝っていかなければなりません。2013年は結果をしっかりと出して、自分の夢を実現するために、スーパーフォーミュラとスーパーGTの両カテゴリーを頑張っていきたいと思っています。引き続き応援をよろしくお願いします」