Koudai on Koudai2023-2024

2024年シーズンのスーパーGTの開幕がいよいよ近づいてきました。今回も年に1回のスペシャル企画「Koudai on Koudai 2023-2024」にたくさんの質問を送っていただき、本当にありがとうございました。後編の最後には、今シーズンの活動やチャンピオンへの思いを語っていますので、最後までぜひご覧ください。
取材・文=川原田剛

後編

大阪府のおいもさんからの質問です。「今年は太田(格之進)選手とペアを組んでの闘いとなりますが、今まで組んだドライバーの中でもう一度組みたいと思うドライバーはどの選手ですか?」
話題性抜群で楽しかったのは小暮(卓史)さんですね。もちろんドライバーとしても速かったし、思い出もたくさんあります。なにせ趣味が一緒なので、寝ても覚めてもクルマの話ばかりしていました。もちろんレースの話もするのですが、それが楽しかった。今も会えばクルマの話をしているのですが(笑)。
大阪府のおいもさんからもう一問です。「今まで生産されたクルマの中でどれか1台もらえるとしたら、どの車が欲しいですか?」
前編でクルマはもう欲しくないと言いましたが、今持っているNSXにやりたいことがいっぱいあるんです。ブレーキやホイールなど、新しいクルマは買わないとしてもカスタムの選択肢はいっぱいあります。まさに沼です(笑)。

欲しいクルマはキャンピングカーですね。そんなに大きくないのでいいのですが、メルセデスの商用車『スプリンター』やフィアットの商用車『デュカト』をキャンピングカーにしたモデルが欲しい。それぐらいの大きさがいいですね。もし僕が結婚していないくて独り身だったら、キャンピングカーで生活していると思います。サーキットにも行けるし、レースでゲストが来たらそこで休んでもらえることもできますし、YouTubeの企画でまこやBUNGOと道の駅も回る時にも使えます。もう無敵ですね(笑)。
埼玉県の磯野さんからの質問です。「昨年末にフォーミュランド・ラー飯能を友人と訪れた際にたまたまお会いしてお話しさせて頂きました。オーナーでありながらお忙しい中ラー飯能に来られるのはやはり12月から2月のオフシーズンが多いのでしょうか。それともレースシーズンでも平日であれば来られるのでしょうか?」
かなり不定期なので、いつとは明言できません。キッズカートスクールやレースの時も来られる時と来られない時があります。でもイベントの時には出現率は高いですよ。
三重県のノリノリノさんからの質問です。「鈴鹿サーキットで一番攻め甲斐のあるコーナーはどこですか? また得意なセクターはどこですか?」
鈴鹿では1コーナーをうまく走ることができれば、全部がリズムよく回れるような気がします。他のサーキットでは1コーナーはブレーキをドンッと踏むことが多いですが、鈴鹿の1コーナーは結構なスピードで回っていきます。かなりシビれるのですが、すごく好きですね。だからといってセクター1が得意というわけではありません。なんか知らないけどセクター1が速いとか、セクター3が速いとか、そういう感じで、鈴鹿はよくわからないんです(笑)。これまで何百周を走っていますが、本当に難しいサーキットです。
栃木県のちゃことさんからの質問です。「最近、一番ワクワクしたことは何ですか?」
まずひとつはタミヤサーキットに行けたことです。いつもラジコンをやっているとはいえ、なかなかサーキットに行く機会がありませんでした。でも年末に初めてタミヤサーキットに行き、「ここが子供の頃にTVで『タミヤRCカーグランプリ』をやっていた聖地か」と感激しましたし、実際に走ってワクワクしましたね。

あとはYouTubeの「道の駅をすべて回りますシリーズ」で、長野県を完走したんです。当初の計画では、まずは関東を全部制覇してから山梨、長野を回ることを計画していたのですが、年始のまこの勢いに負けて長野県に挑戦することになりました。長野県は面積が大きいし遠いしラスボスというイメージで、実際に大変でしたが、すごく楽しかった。ぜひ長野県編をご覧ください!
栃木県のちゃことさんからもう一問です。「家族と過ごす中で一番大切にしていることは何ですか?」
やはり妻への感謝です。僕は仕事柄、家を空ける時間が多いので、その間、子どもたちの世話を含めて全部家のことなどをやってくれているのですごく感謝しています。
富山県のタコさんや、神奈川県のたにざきさんからの質問です。「プロのレーサーになるためにはどうしたらいいですか?」とのことですが、タコさんは19歳でジムカーナをしており、たにざきさんは中学生で今はカートを購入するために貯金しながらフィジカルトレーニングをしているそうです。
プロになるというと、まずは日本ではホンダやトヨタのレーシングスクールで実績を残してプロを目指すという方法があります。この道を歩むのは過酷ではありますが、最短ルートになると思います。スクールに入って、いくつもの関門を乗り越えてやっとプロになれますが、厳しい道であるのは間違いありません。

タコさんがやっているジムカーナからどうやってプロになるのはちょっとわかりませんが、スーパーGTやスーパーフォーミュラをやっているチームが注目しているカテゴリーがあります。そこで結果を残すことがプロの道につながっていく可能性があります。例えばフォーミュラだとF4、ハコだったら86レースやスーパー耐久などで活躍するのもひとつの手だと思います。

あと最近ではeスポーツからプロになるドライバーも誕生しています。シムレーサーとして大会に出場して優勝するという道もあります。サーキットでの走行経験がなくてもグランツーリスモの世界大会で優勝したとなれば、注目されます。イゴール(・フラガ)はグランツーリスモの世界大会でチャンピオンに輝いてプロになっています。他にもシミュレーター出身のドライバーは世界中では何人も出ています。特に中学生のたにざきさんはまだ免許がないので、シミュレーターで世界一を狙うというのもひとつの手だと思います。
神奈川県のムラさんからの質問です。「好きな音楽アーティストさんはいますか?」
昔からですが、音楽はユーロビートやエレクトロニックダンスミュージックを聞いています。好きなアーティストはパフュームですね。
栃木県のせなさんからの質問です。「普段休みの日などに、スーパーGT公式のレース動画や、自信がドライブしているオンボード映像などを見ることはありますか?」
普段はあまりレースの映像は見ません。見るとすれば、自分が頑張ったレースです。別にイメージトレーニングという意味ではなく、ただ単に映っていたかなと確認するぐらいですね(笑)
熊本県のケーヒンタックさんからの質問です。「もしSF23で海外のサーキットを走ることができるのなら、どこで走りたいですか?」
F1を開催しているすべてのサーキットを走ってみたいですよね。今は鈴鹿しか比べられないですが、モナコのような市街地コースや、中東のバーレーンを走ったらどれぐらいのタイムなのか、ファンの方も知りたいと思います。

例えば鈴鹿でももう少しタイヤをコースに合わせこんで、エンジンもオーバーテイクシステム(OTS)モードで走ったら。あと2秒ぐらいはタイムアップすると思います。F1やF2が開催される全サーキットでフルアタックして、スーパーフォーミュラがどれぐらい速いのか、はっきりと示すことができれば面白いと思います。
三重県のヤマグチ ハヤトさんからの質問です。「塚越選手が今までで一番楽しいと感じたバトルとは?」
バトルといえば、やっぱりはカート時代になりますね。抜きつ抜かれつが多かったので、楽しかったです。スーパーフォーミュラでは2017年のスーパーフォーミュラ第4戦もてぎ、2ピット作戦を採った時ですね。結果は9位で入賞はできなかったですが、もてぎであれだけオーバーテイクを見せられたのは良かったと思います。スーパーGTはこれまでいろんな選手とギリギリのいいバトルをしてきましたが、どれかひとつというのは難しいですね。これからもいいバトルをしてきたいと思っています。
愛知県のみちこさんからの質問です。「アニメは子どもの頃から好きでしたか? 最近のオススメのアニメは?」
アニメは昔から好きですが、今だと自分の人生で刺激を受けているのは『宇宙兄弟』です。まことBUNGOのガマ3人で盛り上がっているのは『弱虫ペダル』です。もともとBUNGOが『弱虫ペダル』を見ていて、面白いよとススメてくれたのですが、すごく面白かった。僕の推しキャラは巻島センパイです。もしかしたらガマ自転車部ができるかもしれません(笑)。
広島県のゴーオンタカヒロさんからの質問です。「2023年シーズンのF1ではシンガポールGP以外の全レースをレッドブルが優勝しました。かなり凄いと思いますが、どう感じましたか?」
22戦21勝というのはレースの世界ではまずあり得ないことです。おそらくドライバーやチームのスタッフはものすごいプレッシャーの中で戦っていたと想像します。外から見れば、「楽勝でしょう」と思うかもしれませんが、そのプレッシャーはハンパなかったはず。

ドライバーはミスをしてはいけないというのはもちろんですが、チームもタイヤ交換やメンテナスのミスは許されません。ちょっとネジが1本緩んでいたとか、それでリタイアを喫したら、大問題じゃないですか。ドライバーや各部署のスタッフにとっては毎戦毎戦が責任重大で、大変だったと思います。
広島県のゴーオンタカヒロさんからはもう一問です。「2024年にユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の新エリアのドンキーコング・カントリーと東京ディズニーシー(TDS)の新エリアのファンタジー・スプリングスが開業します。広大さんはどちらの新エリアが気になりますか?
TDSのファンタジー・スプリングスは知らなかったですが、USJにドンキーコングのエリアができるのは知っていました。今年もUSJに行ってきましたが、24年の1月でスパイーダマンが終わってしまうので最後に乗ってきました。USJのマリオエリアは何回か行ったのですが、まだ全部攻略できていません。ディズニーとUSJでは、どっちかといえばUSJのほうが好きですね。
愛知県のましろさんからの質問です。「このレースがあったらから今の自分がいる、というようなドライバー人生において欠かせないほど印象に残ったレースってありますか?」
2002年のカートの鈴鹿選手権シリーズMFCクラスでチャンピオンになった時が一番大きいかもしれません。このレースは3ペダルのミッションカートで、シリーズ最終戦で2連勝しないとチャンピオンになれないという状況だったのですが、そこでライバルとぶつかりながら、クルマを壊しながら勝って、タイトルを取ることができました。チャンピオン取れていなければスカラシップは取れていないので、今の僕はないと思っています。あれ以上のレーはありません。
静岡県のサボさんからの質問です。「ホンダ内では何年かのサイクルでチーム移籍があったりする中で、10年以上変わらずにリアルレーシングのドライバーであり続けるのはなぜですか?」
僕自身もリアルで走りたいという気持ちはありますが、それだけではなく、ホンダやHRCがそこに塚越が必要だと思われないといけません。そこに甘えは一切なく、自分が必要だという結果なり速さを残していかないと継続できないと思っています。その危機感と覚悟をいつも持っています。自分の好きなチームで走り続けるためにも結果を残さなければいけないと思って日々走っています。
静岡県のサボさんからもう一問です。「タミヤサーキットデビューおめでとうございます。今後ラジコンで、タミヤさんのレースに出場したり、塚越さん主催でラジコンレースを開催したりする予定はありますか?」
ラジコンレースが出てみたいところがありますが、本気でレースするつもりは今のところはありません。それよりは楽しみながらできればいいなあと思っています。でも機会があればタミヤグランプリ(通称タミグラ)やタミヤチャレンジカップ(通称タミチャレ)に出場したいと思っています。

フォーミュランド・ラー飯能でもラジコンの大会やイベントができないかと考えていて、何とか今年中に1回ぐらいはやりたいと思っています。まことBUNGOもそろそろラジコンをやりたいと思っていますので、YouTubeのこれからの展開を楽しみにしていてください。
東京都のあづきさんからの質問です。「旧車からスーパーカーまで、なんでも選べるとして、サーキットで試乗できるならどのクルマに乗ってみたいですか?」
F1マシンに乗りたいです。チャンピオンマシンのレッドブル・ホンダがいいですね。
東京都のあづきさんからもう一問です。「3年前リアルレーシングの公式YouTubeに投稿されたシラスご飯の食べ方の動画が何気に好きなのですが、他に食べる時にこだわるものはありますか? 動画の更新も期待しています」
こだわりは特にないですが、僕は酸っぱいものが好きです。だから長崎ちゃんぽんとかラーメンでも作ってくれた人に申し訳ないぐらいに酢をいっぱい入れてしまう。餃子もそうですね。醤油がちょっとで酢がいっぱいです。から揚げとかもレモンをいっぱいかけたい。とにかく酸っぱいのが食べたいんです。機会があれば、酸っぱい食べ物の動画にトライしてみます。
岡山県のりーくん! からの質問です。「予選、決勝前は緊張しますか?」
どっちも緊張しますが。緊張のレベルは断然予選ですね。やっぱり時間が短い中で、一発でタイムを出さなければなりので、予選のほうが緊張します。
岡山県のりーくん! からもう一問です。「学生の頃、苦手な教科はなんでしたか?」
全部、苦手でしたね(笑)。その中でも社会と理科は割とテストの点数は良かったのですが、大事な英語、数学、国語は苦手でした。高校は総合学科というところで、文理選択がなかったので、英語を振って勉強をしていました。文系、理系の科目のどっちが得意というのはなかったと思います。
静岡県のいのさんからの質問です。「勝ったけど納得がいかなかったレース、負けたけど大満足したレースはありますか?」
勝ったけど満足しないというのはないですね。負けたけど満足したレースもないと思います。スーパーGTで初優勝したSUGOで負けていたらしょうがないなと感じたかもしれないですが、満足はしていないと思います。
静岡県のいのさんからもう一問です。「レース当日に身体のパフォーマンスを最大限発揮できるように、日々気をつけていることは何ですか?」
レースはサーキットごとに1回1回の大会がありますが、大きく括ると年間のレースになりますので、日々、体調を整えるようにしています。あるレースに向けてピークを持っていくというよりは、1年を通して常に高いレベルを保てるように日々、トレーニングや体調管理をしています。

シーズンオフとオンの切り替えみたいのも特にありません。シーズンが終わると、すぐに次のシーズンのテストが始まりますので、意外とオフという感覚はないのです。唯一、コロナの時にレースがいつ再開するかわからないという状態になった時に、すっかり脱力してしまい、無気力になってしまいました。その時に初めて休みとかシーズンオフとか言っているけど、結構、気を張って生活していたんだなと気がつきました。

本当に気が抜けるというのはこういうことだと思いました。もちろんトレーニングはするのですが、レースという目標が突然なくなってしまい、再開の目途が立たなくて、やる気がまったく起きなかった。あの時期は、このままだとダメになると感じました。
最後の質問です。東京都のリコさんを始め、たくさんの方からの質問です。「今シーズンの抱負や目標を教えてください」
最大の目標はスーパーGTのシリーズチャンピオン獲得です。太田君が新しいパートナーとなり、マシンがNSXからシビックタイプRに変わり、チームの体制もいろいろ変更する中で、リアルレーシングが一丸となってタイトルを狙っていかないといけません。スーパーGTに関しては今シーズン、タイヤや予選の方式が変わるので、新しいルールの中で最適な作戦を考えることも大事になってきます。とはいえ、作戦を遂行するためにはまずはマシンの地力の速さがないとどうにもなりませんので、チームとともにまずは新しいマシンの地力の速さを身につけることが第一です。

スーパーフォーミュラに関しては2024年も引き続きアドバイザーとしてスリーボンドに関わっていきますが、こちらもドライバーやメンテナンスなどの体制が変わる中で、より自分が結果につながる仕事ができるようにしていきたい。もちろん自分が走りたい気持ちがありますが、走っていない時でも自分がその場でどう活躍できるのかというのが大事だと思います。ドライバーとして乗っている時と変わらない気持ちでやっていきたい。2022年から続けている『SUPER FORMULA NEXT50プロジェクト』の開発ドライバーに関しては未定ですが、自分としては乗ることも大事ですので、決まれば継続してやっていきたいです。

2023年に上級カートレースのシリーズ戦として新たにスタートしたGPR(GPR KARTING SERIES)に関しては引き続きレーシングディレクターを務めます。GPRは今年クラスによっては全日本格式になっていき、さらに盛り上がっていきます。GPRに参加するドライバーはみんな人生をかけてレースをしているので、僕も同じ覚悟でレースディレクターの仕事に臨んでいます。今シーズンも参加しているドライバーが気持ちよくレースができるようなジャッチができるようにしたいですね。

今年も幅広い活動をしていきますが、皆さんの声援やサポートが何よりも力になります。ぜひ今シーズンも応援をよろしくお願いします!