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Qイギリスで1年間暮らしてみて、良かったことは何ですか?(愛知県/江川さん他)

「良かったことは、当たり前のことですが、日本と違った文化に触れ、その中で生活することができたことですね。逆に悪かったことは、寒い、暗い、天気悪い、ってことですかね(笑)。寒いのはいいんですけど、天気が悪いのは結構キツかったですね。よく言われることですが、評判通り、食事もあんまりおいしくなかったですね。だから、ほとんど毎日、自分で食事を作っていました」

Qヨーロッパのドライバーは、良く言えば「ファイティング」、悪く言えば「ガラが悪い」と感じました。ヨーロッパ人ドライバーの「マナー」について感じることを率直に教えて下さい。(栃木県/羽場さん)

「レースになればマナーも何も関係ないと思います。すべてのドライバーが勝ちたいわけですから、当然、前へ、前へ、ということになります。本当に自分のことしか考えていない。時には無謀なこともしてきますが、それはレースだから仕方ないと思います。でも、例えば予選中にレコードラインをゆっくりと走って前のマシンとの間隔を開けたりとか、いつまでもフラフラとタイヤを暖めていたりとか、そういう頭に来るヤツは多かったです(笑)。全開で走っている時に、前でタラタラと走っているのは、本当に危ないんです。そういう点では、日本よりもマナーが悪かったヤツは多かったような気がします。レースになれば、最初に言ったように、日本もヨーロッパも関係ないと思いました」

Qマノー・チームはどんなチームでしたか? また日本と仕事に対する取り組み方の違いはありましたか?(栃木県/羽場さん)

「オーナーのジョン(John Booth)を始め、マノーはすごくアットホームなチームでした。マノーにはメカニックとかオーナーとかの区切りのようなものがなくて、チーム一丸となって一生懸命に仕事に取り組んでいました。それに僕らドライバーの面倒もよくみてくれました。レース後にはみんなでワイワイ騒いだこともありますしね。簡単に言えば、現代のF1チームのような組織的な感じじゃなくて、家族でゴーカートをやっている、という雰囲気でした」

「仕事のアプローチの違いに関しては、日本とヨーロッパでは僕の立場が違っていたので、何とも言えません。ユーロでは初めて走るサーキットでのレースが多かったのですが、日本の場合はある程度サーキットも知っていますので、走ってすぐにクルマを作り始めることができます。ところがユーロでは、自分がコースに慣れて速く走れるようにならないと、クルマを作るという次のステップに進むことができません。そういう状況もあったので、仕事の進め方は違っていました。それでも全体的なことで比較してみると、日本はきちんと計画を立てて、メニューをこなしていくというアプローチでした。でもマノーは状況に合わせて、その都度、対策をしていくという印象を受けました」