2010年7月25日、スーパーGT第5戦の決勝が宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。前日の予選を10番手で終えたKEIHIN HSV-010は、金石選手がスタートドライバーを担当。レース序盤からスピンや接触が多発するなか、安定した走りで着実にポジションを上げて、25周目には5番手まで浮上した。
30周目、2番手の18号車がピットイン。ここからGT500クラスのルーティンのピット作業が始まると、KEIHIN HSV-010は4番手走行中の37周目にピットイン。金石選手から広大へとドライバーチェンジを行いコースに復帰した。
広大は、55周目に6号車をオーバーテイク。3番手に上がったKEIHIN HSV-010は、ここから好タイムを連発し、前を走る18号車に一気に迫る。すると、73周目にトップを走っていた23号車が突然スローダウン。これで18号車と広大のサイド・バイ・サイドの緊迫したバトルはトップ争いへと変わった。
ラスト5周、最終コーナーや1コーナーなどで果敢に仕掛ける広大。だが、18号車も巧みな走りで隙を与えず、広大は2番手のままテール・トゥ・ノーズ状態でファイナルラップに突入したが、最終コーナーで前に300クラスのマシンが現れた瞬間、広大は18号車のアウト側にラインをとって、並走のままフルスロットル。全開でストレートを駆け上がった広大の駆るKEIHIN HSV-010が、僅か0.025秒差でトップチェッカーを受け、劇的な優勝を飾った。GT初勝利の広大はレース後、以下のようにコメントしている。
「まずは、ここまで僕とチームを応援してくれた、すべての方々に心から感謝したいです。ありがとうございました。レースを振り返ると、10番手という厳しいポジションからのレースでしたが、前半は(金石)年弘さんがすごくいい走りをして、大きく順位を上げて僕にバトンを渡してくれました。年弘さんの走りを見て、今日のマシンの出来はいいと思っていましたが、実際にドライブしてみても、本当にフィーリングがすごく良かったです。その後、2番手まで順位を上げて、前を走る(18号車の)小暮さんに何度も仕掛けたのですが、なかなか前に出ることができませんでした。でも最終ラップに小暮さんが300クラスのマシンに引っかかったチャンスを見逃さず、ストレートの加速で優勝をつかむことができました。追い抜くチャンスは、あの場面しかなかったと思いますので、すごくうれしかったし、ラッキーだったと思います。この調子で、これからのGTとフォーミュラ・ニッポンのレースも頑張りたいです! 引き続き、応援をよろしくお願いします」