2009年9月27日、宮城県のスポーツランドSUGOでフォーミュラ・ニッポン第8戦の決勝が行われた。夏の日のような暑さだった前日から一転して日曜日の天候は曇り、気温17度とやや肌寒く、霧雨が舞うドライコンディションでシーズン最終戦は始まった。
広大はスタート直後にポジションを2つ下げてしまったが、2周目には前の2台をかわして3位のポジションを取り戻す。その後、スタート直前から降っていた雨が次第に強くなり、ドライタイヤで濡れた路面を走行するという難しいコンディションになったが、広大は素晴らしい速さで周回を重ね、首位のデュバル選手の背後に迫っていく。
20周目を過ぎると雨は強くなり、多くのマシンが相次いでウェットタイヤにスイッチするほど路面は滑りやすくなる。しかし広大はスリックタイヤのままで走行を続け、22周目にデュバル選手がオーバーランした隙にトップに躍り出る。
抜群のマシンコントロールでトップをキープする広大だが、雨脚は強さを増し、広大は上位勢の中でもっとも遅い31周目にピットイン。給油作業とともにウェットタイヤに交換した。7番手でコースに戻った広大は、ウェットタイヤにスイッチしても快調なペースで飛ばし続け、4位でフィニッシュ。今シーズン5度目の入賞を果たし、ドライバーズ・ランキング7位でフォーミュラ・ニッポンのデビューシーズンを終えた。
「今回のレースは勝てるチャンスが十分にあったので、すごく悔しいです。その一方で最近の数レースに比べると、SUGOではドライでもウェットでもいいタイムで走ることができたので、その点に関しては良かったかな、と思っています。それにルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルも獲得することができました。最後に今シーズン、僕をサポートしてくれた金石さんや田中監督を始めとするチーム・リアルのスタッフ全員、ホンダさん、そしていつも応援してくれたファンの皆さんに心から感謝をしたいと思います。本当にありがとうございました」