第4戦は宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。今回からエンジンが新しくなり、さらにレギュレーションの変更によりマシンの熱害対策が施されたパッケージで走ることになりました。リアルレーシングはこの新パッケージで走行するのが初めてになるので、事前のミーティングではこの変更に伴ったセッティングの方向性を話し合いました。そして、迎えた19日の午前からウェットコンディションでの走行になりました。新しいマシンのフィーリングを確かめながらマシンのセットアップをしました。午後から行われるはずだった予選は霧が晴れず視界不良となり、日曜日の朝に予選が行われる事になりました。

25分間のタイムトライアルが行われました。雨は上がっていたのですが、路面は濡れていました。走行が始まってすぐにコースインし周回を重ねました。タイヤが温まりにくく、タイムを出すまでに時間がかかりました。1度ピットに戻り、新しいタイヤに変えてセッティングを変更。残り約10分の時点でコースに入りました。路面が良くなっていくので、周回ごとにタイムは向上していきましたが、1度クールラップを入れて、最後のアタックを行いました。その結果、最終アタックで4番手タイムを出すことができました。

レーススケジュールが大きく変更され、朝のフリー走行がなくなったため、レースセッティングを確認できないままレースを迎えました。今回スタートドライバーは年弘さんが担当しました。レース開始直前には、路面は乾いていたのですが、フォーメーションラップが始まった瞬間から、雨が降り始めました。セーフティカーの先導で周回を重ねている間に、タイヤを交換するかどうか難しい判断でした。

セーフティカーがコースを離れ、4周目にスタートしたと同時に、17号車含め約半数のマシンがレインタイヤへのタイヤ交換のためピットに入りました。ここで17号車はピットに入った中では一番早いタイミングでコースに復帰することに成功し、ポジションを上げました。その後も、ピットに入らなかったスリックタイヤのマシンのタイムを上回るペースでピットのロスタイムを埋めて行きました。しかし、10周目くらいには路面が乾いてしまいレインタイヤではタイムアップが厳しくなり13周目にもう1度ピットに入り、スリックタイヤでコースに復帰しました。その後、天候は安定し、40周目にピットでドライバー交代を行い、スリックタイヤでコースに戻りました。

13番手でコースに戻り、周回を重ねていると、55周目に再び雨が降り始めました。路面を少し濡らす程度でしたが、スリックタイヤでは滑りやすく、そのまま走り続けるのは難しい状態でした。この状況の中、レインタイヤに交換するチームもいました。チームとタイヤ交換を行うかどうか無線でやり取りをしましたが、今回のマシンのバランスであればまだスリックタイヤで走れると判断し、そのままコースにとどまることを決めました。コースにステイしたことにより、5番手までポジションを回復しました。

その後、雨は止み、路面が徐々に乾いていきました。僕たちの判断が当たったのです。73周目に36号車を抜き4番手に上がり、75周目に6号車を抜き3番手に。僕たちの17号車は、2番手を走る37号車に比べ、1周10秒程速いペースで走っていましたが、わずかに届かず、3位でチェッカーを受けました。

今回のSUGOでHonda NSX CONCEPT-GTの初表彰台を17号車が獲得できたことを本当にうれしく思います。今シーズンは厳しいレースが続いていましたが、マシンのパフォーマンスを上げてくれたホンダさん、チーム、関係者の皆さんに感謝します。しかし、まだマシンを煮詰め切れていない部分もあり、マシンバランスの改善をしなければ、この後のレースで結果を出すことはできないと思います。次のターゲットである優勝を実現するために、チームとミーティングを行い、しっかりと完璧に準備をして次の富士でのレースに臨みたいと思います。