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──前回の鈴鹿ラウンドで今シーズンの折り返し地点を迎えましたが、前半戦の成績は1勝、ポイントランキングはトップに約40点差の2位。この成績について、自分自身ではどんな評価をしていますか?

「事前に予想していたよりも、前半戦はちょっと悪い結果に終ってしまいましたね。こうなってしまったのは、やはりスタートがうまくいかないというのが最大の原因だと思います」

──開幕戦からスタートで失敗が続いていますが、スタートは苦手なのですか?

「前からそれほど上手ではありませんでしたが、今でも決して苦手というわけではありません。やはり何度も失敗が続いてしまっているので、トラウマとまではいきませんが、ちょっと悪いイメージが自分の中にできてしまっているんです。でも(第9戦の)鈴鹿では完璧とは言えませんが、ちゃんと1コーナーにトップで入り、優勝を飾ることができました」

──後半戦に向けて、スタートをどう克服していくつもりですか?

「スタート時の操作やペダルの位置などを確認することは大事だと思いますが、あまり考え過ぎないようにしています。とにかくネガティブなイメージを早く取り除くことが一番だと思います」

──スタート以外の走りの部分は、満足できるものだったのですか?

「とても満足できる内容ではなかったです。やはり雨での走りや、第2イベントの鈴鹿ではコースアウトするミスがありました。F3にフル参戦して1年目ということで、まだ学ばなければならないことがたくさんあると、あらためて痛感しましたね。その反面、前半戦を通して自分の課題が見えてきたので、そこをひとつひとつクリアしていけば、まだまだ伸びる要素があることもわかりました。それは自分にとって収穫だったし、課題をクリアしていく自信もあります」

──シーズン折り返しの鈴鹿ラウンドで初優勝と2位を獲得し、後半戦に向けて大きな弾みがついたと思いますが?

「そうですね。シーズンの流れを完全に変えるとまではいきませんが、逆転チャンピオンを実現するための大きなきっかけをつかめたと思います。少なからず勝つことができたし、第10戦は2位に終りましたが、あそこまでの速さとパフォーマンスを見せつけることができたので、自信にもなりました。でも僕にはまだ強さが欠けていると思います。今、ランキングのトップにいるスーティルは強さという点では抜けている。僕もシーズン後半に向けて、確実に強くならなくてはならないと思います」

──では、8月5〜6日のオートポリスから始まる後半戦の抱負は?

「前回の鈴鹿で、あそこまでたくさんのマシンを抜き、2位になれたのは、Honda・無限 F107が素晴らしいマシンであることも大きいし、チームのスタッフや監督がいいマシンに仕上げてくれたおかげでもある。そういう素晴らしいマシンをドライブしていることの責任感をより強く持って、後半戦は戦っていきたいですね。あれだけのマシンに乗って、前半戦で1勝というのは情けないし、早くスーティルに追いつき、追い越したいです!」

──残り8戦でどれだけ勝ってくれますか?

「厳しい戦いになると思いますし、おそらくタイトル争いは最終戦のもてぎラウンドまでもつれるでしょう。でも、自分としては最低でも半分は勝ちたいです。F3は有効ポイント制(成立したレースの80%)なので、チャンピオンの可能性はまだ十分にあります。僕は前半で取りこぼしが多い分、有効となるポイントも多い。逆にスーティルはなかなかポイントが増えていかないと思います。とはいっても、総合ポイントがスーティルよりも少ないのはカッコ悪いですからね。とにかくひとつひとつのレースを確実に勝っていって、彼よりも多くのポイントを稼いで、チャンピオンになる。そのためにも最後まで全力で戦っていきます」

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