2017年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦が鈴鹿サーキットで行われました。今季、REAL RACINGは1台体制となり情報共有という点では厳しくなりますが、1台に集中するというメリットもあります。オフのテストでは、トラブルなどで走行時間が短くなってしまい、万全な状態で開幕戦に臨めませんでした。それでも2年目となるエンジニアとの連携も深まり、期待を持って開幕戦に臨みました。 金曜日の1時間の走行ではセッティングの方向性を確認することができ、5番手のタイムをマークし、まずまずの出だしとなりました。翌土曜日の午前の走行はさらにセッティングを進めようとしましたが、前日ほどはうまくいきませんでした。最後に予選を見据えてニュータイヤでのアタックを行いましたが、黄旗が1コーナーで振られていたため、しっかりとタイムを刻めませんでした。
予選はノックアウト方式で、3つのセッション(Q1、Q2、Q3)で構成され、Q1の上位14台がQ2へ、Q2の上位8台がQ3へと進むことができます。
午前の走行からマシンのフィーリングが鈴鹿で開催された前年の最終戦に似てきたことから、最終戦で進めたセッティングの方向に変更し、Q1に臨みました。
Q1の開始からコースに入り、バランスの確認を行いました。1回目のアタックではマシンの感触がよく、タイヤの摩耗状況からみても、いいタイムを刻むことができました。いったんピットに戻り、ニュータイヤで再びアタックに入りました。
アタックラップの1コーナーに勢いよく入っていったのですが、マシンの底が路面ときつく当たってしまい、ラインを外してスピン。すぐにコースに復帰しましたが、タイヤに少しフラットスポットができてしまいました。それでも次の周のアタックで13番手となり、Q1を通過することができました。
その後、セッティングを微調整してQ2に臨み、今度はミスなく5番手でQ2を通過しました。車高の調整のみ行い、最後のアタックに入りました。そして、5番手タイムで予選を終えました。
日曜日のフリー走行でレースセッティングの確認を行いました。今回のレースは35周で行われ、1本以上のタイヤ交換が義務となります。満タンでスタートし1輪交換でピット作業時間を減らすか、軽い燃料でスタートし4輪交換して攻める作戦のどちらを選択するのか悩みました。最終的に、軽い燃料で攻める作戦に決めて、レースに臨みました。
スタートは悪くなかったのですが、1コーナーのポジション争いで2つ順位を下げました。その周にピットに入ったマシンが数台あったことに加え、2周目の130Rでは15号車をアウト側から抜き、3番手に浮上しました。
しかし、ここでタイムを稼がなければピット作業で後方に下がってしまうのでプッシュし、3周目にファステストラップを刻み、前のマシンを追いかけました。前半は良かったのですが、少しずつオーバーステアになり、苦しくなる展開となりました。
20周目の終わりにピットに入り、給油とタイヤを4本変えてコースに戻りました。この時点で6番手となっていました。21周目に他のマシンがクラッシュし、セーフティカーが入りました。26周目にレースが再開され、前を走る36号車を抜こうと攻め続けましたが、オーバーステアのマシンをうまくコントロールできず、そのままの順位で開幕戦を終えました。
開幕戦でポイントを取ることができ、幸先のいいスタートを切れたと思います。しかし予選では上位4台と自分とのタイム差が大きく、レースでもトップグループとはまだ差があることがわかりました。特にレースでは他車よりも軽い状態、タイヤがいい状態でも、相手よりも速く走れませんでした。セットアップを改善し、そこを詰めていく必要があります。 次戦の岡山は昨シーズンも調子が良かったので、この差を埋めて、さらに上位に入れるようにチームとともに準備を進めていきます。